本格カヌレの作り方

デザート

バニラとラム酒を加えた生地を冷蔵庫で一晩休ませ、外側は濃い褐色でカリッと、内側はしっとりもちっとした食感に焼き上げます。家庭で扱いやすいコーティング加工の金属型とバターを使い、側面と底にも焼き色を付けます。

材料(約16〜18個分)

  • 牛乳:500ml
  • 無塩バター(生地用):50g
  • バニラビーンズ:1本
  • 全卵:正味50g(約1個分)
  • 卵黄:正味60g(約3個分)
  • グラニュー糖:220g
  • 薄力粉:100g
  • 強力粉:30g
  • ラム酒:50ml
  • 無塩バター(型用):適量(全量で20〜30gが目安です)
  • 氷水(生地の冷却用):適量

材料比率の目安

粉類の合計130gを100%として、グラニュー糖は約169%、全卵は約38%、卵黄は約46%、生地用の無塩バターは約38%です。牛乳500mlとラム酒50mlは容量比10:1で合わせます。卵の個数は目安とし、全卵と卵黄を別々に計量して配合をそろえます。

下準備

  • 上部の内径約5.5cm、高さ約5cm、満水容量約80mlの金属製カヌレ型を使います。内側がフッ素樹脂またはシリコン樹脂で加工され、230℃で使用できる製品を選びます。型の初回使用時の処理は製品の説明に従います。調理用温度計、型を覆える大きさの平らな耐熱皿、冷却用の網を用意します。
  • 6個取りなどの型を使う場合は数回に分けて焼きます。型の寸法や注ぐ量で個数は前後するため、材料全量を無理に1回で焼こうとせず、1個分の生地量をそろえます。
  • 薄力粉100gと強力粉30gを合わせてふるいます。全卵は溶きほぐして50gを量り、別に量った卵黄60gと静かに混ぜ、使うまで覆って冷蔵します。
  • バニラビーンズは縦に切り開き、包丁の背で種をこそげ取ります。種とさやの両方を使います。

作り方

  1. 鍋に牛乳500ml、バニラビーンズの種とさやを入れ、中火で混ぜながら液温80〜85℃程度まで温めます。火を止めて生地用の無塩バター50gを溶かし、ふたをして香りを移しながら35〜40℃程度まで冷まします。
  2. ボウルで全卵50g、卵黄60g、グラニュー糖220gを泡立てずに混ぜます。ふるった粉類を加え、1の牛乳の混合液を3回に分けて加えながら、大きな粉の塊がなくなるまで静かに混ぜます。小さなだまは次の工程でこすため、練り続けません。
  3. ラム酒50mlを加えて混ぜ、細かいざるで清潔なボウルへこします。バニラビーンズのさやを取り除き、ボウルの底を氷水に当て、静かに混ぜながら20℃以下を目安に速やかに冷まします。表面にラップを密着させて覆い、冷蔵庫で12〜24時間休ませます。
  4. 休ませた生地をゴムべらで底から静かに混ぜ、沈んだ粉や浮いたバターを均一にします。一度に焼く分だけ別の容器へ取り分け、覆って生地温度18〜22℃程度を目安に戻します。30〜60分程度が目安ですが、室温と取り分けた量で変わるため温度を確かめます。戻している間に型の準備と予熱を進めます。寒くて温度が上がらない場合は、容器の底を30〜35℃のぬるい湯に短く当てて静かに混ぜ、18〜22℃になったら湯から外します。温まりすぎた場合は容器の底を氷水に短く当て、混ぜながら18〜22℃へ戻します。残りの生地は覆って冷蔵庫に置きます。
  5. 型用の無塩バターを室温でクリーム状にやわらかくし、乾いた型の底と溝まで薄く均一に塗ります。塊や厚い筋は残しません。今回のコーティング加工の型には蜜ろうを使いません。次の回に使うバターは覆って冷蔵し、塗る前に再びやわらかくします。
  6. 天板の扱いはオーブンの取扱説明書に従い、庫内を230℃に十分予熱します。天板を入れて予熱できる機種では、下段で天板も温めます。カヌレ型は生地を注ぐまで庫外に置きます。
  7. 予熱完了と生地温度18〜22℃を確認します。取り分けた生地をもう一度静かに混ぜ、1個60〜65g程度を目安に型の7〜8分目まで注ぎます。泡立てず、表面の大きな泡は取り除きます。量よりも型の高さを優先し、8分目を超えて入れません。
  8. 下段の天板に型をのせ、230℃で15〜20分焼きます。その後200℃に下げ、さらに40〜50分を目安に焼きます。表面だけが焦げそうな場合は、アルミホイルをふんわりとかぶせます。200℃に下げても生地が型から大きく浮いたままなら、焼成開始から25分前後を目安に一度取り出します。ミトンで型を水平に持ち、安定した鍋敷きに軽くトントンと当てて生地を落ち着かせ、すぐ庫内へ戻します。型や庫内の熱の伝わり方で変わるため、時間だけで焼き上がりを判断しません。
  9. 8の時間を目安に焼き、表面が濃い褐色になったら、両手にミトンを着けて型を取り出し、オーブンの扉を閉めます。個別型ならまず1個、6個取りなどの連結型なら全体を鍋敷きに置き、平らな耐熱皿をかぶせます。型と皿を一緒に持ち、裏返して熱いうちに外します。
  10. 側面と底も確認し、全体に濃い褐色の焼き色が付き、外側が形を保っていれば焼き上がりです。側面や底が白っぽいものはトングで軽く支えて元の向きで型へ戻し、200℃で5〜10分ずつ追加して確かめます。表面だけが焦げそうならアルミホイルをふんわりとかぶせます。焼けているものはトングで軽く支えて網へ移し、個別型で焼いた残りも熱いうちに外して確認します。
  11. 先に焼けたカヌレを網で冷ましている間に、残りを焼きます。型が冷めてから汚れと水分を除き、型用の無塩バターを塗り直します。次に焼く生地も4と同じように均一に混ぜて必要量を取り分け、18〜22℃へ戻します。オーブンを230℃へ再予熱してから、同じ量を型へ注ぎ、同じ手順で焼きます。
  12. 焼けたものは網に間隔を空けてのせ、覆わずに1〜2時間程度、中心まで十分に冷まします。冷めると外側がカリッとし、内部はしっとりもちっとした状態になります。皿に盛り、表面の食感を楽しむには焼いた当日に食べます。食べるまで時間が空く場合は、完全に冷めてから密閉し、涼しい場所に置きます。

補正条件

型の素材と大きさ、生地の温度、オーブンの焼け方を確認し、仕上がりに合わせて調整します。

  • 型の補正:上記の焼成条件は、指定サイズのコーティング加工の金属型が基準です。やわらかいシリコン製の型、紙型、銅型へ変更する場合は、時間を一律に追加するのではなく、それぞれの型に対応した焼成条件と耐熱温度を確認します。
  • 温度の補正:室温が高い日は生地が早く温まり、寒い日は時間がかかります。季節で待ち時間を固定せず、焼く分だけを18〜22℃程度に戻します。生地全量を長時間室温に置きません。
  • 焼成の補正:生地が大きく浮き上がっても、一律に設定温度を下げません。庫内温度や生地温度が低い場合にも起こるため、手順8の温度と時間を基本に焼き、大きく浮いたままの場合は同じ工程の対処を行います。次に焼く前に、予熱が十分か、生地が18〜22℃程度か、注ぐ量が型の8分目以下かを確認します。繰り返す場合は、オーブン用温度計で設定温度と実際の庫内温度の差を確認し、生地の休ませ方や混ぜる際の泡も見直します。表面だけが焦げそうな場合は手順8・10と同様に覆い、側面と底まで褐色に焼けたかで仕上がりを判断します。